****教区からのお知らせ****


 
 

後白河法皇の『梁塵秘抄』で「近江の湖は海ならず、天台薬師の池ぞかし」と興隆をうたわれた近江の天台佛教は、その後多くの困難に見舞われました。しかし、宗祖伝教大師の「光伝えよ 法の灯火」との遺訓をもとに、檀信徒と住職の努力によって、今日まで千二百年の歴史を護持してまいりました。

いうまでもなく滋賀県は、総本山延暦寺のお膝元にあり、宗祖伝教大師をはじめ比叡山中興の祖・慈惠大師や回峰行の祖・相応和尚のご出身地でもあります。中世には五百ヶ寺近くの天台寺院が建立され、琵琶湖を囲むかのように一大天台佛教圏が形成されていました。そのことから国宝や重要文化財の建造物・仏像・絵画等を所有する寺院、そして歴史上著名な寺院も数多くあります。

明治初期において廃仏毀釈、神仏分離そして農地解放と、天台寺院はその護持の基盤を奪われました。現在、滋賀教区は8部、174ヶ寺と減少しています。しかしながら、宗祖大師の慈しみをもとに、檀信徒と住職の努力により脈々と法灯を守り、御教えを今日まで広めてこられたのであります。

ここに紹介する滋賀教区の一ヶ寺一ヶ寺に、今なお鎮座される本尊佛の慈悲深い眼差しから、秘められた歴史ドラマや先人の労苦が伺い知れることでしょう。     

この教区ホームページより、滋賀教区を知っていただく一助となれば幸いです。